平成17年3月 広島大学 歯学部 卒
平成17年4月 小室歯科 天王寺ステーションビル診療所勤務(医長)
平成23年6月 小室歯科 天王寺ステーションビル診療所退職
平成23年8月 新井歯科クリニック開院
iCEED
日本咬合育成研究会
ENー縁ーの会
日本口腔インプラント学会
今回はこどもの指しゃぶりについて説明します。小さい子供が指しゃぶりをしているのを見るのはなんだか可愛らしく、心が和みます。しかし、大きくなってもずっと指をくわえていると、なんだか不安になってきますよね。実は私自身の娘も指しゃぶりを3歳超えてもしていたので、その対応に苦労しましたことから気持ちはよくわかります。ですので、今回はそんな不安を持っているご両親にむけて解説していきたいと思います。
指しゃぶりには3種類あり、生後2ヶ月頃から行われる生理的なもの、2歳くらいに多い心理的なもの、3〜4歳を超えて癖になっているもの、に分けられます。赤ちゃんの時から行われる指しゃぶりには、食べ物を口から食べるという意識付けに必要な行動であり、何ら問題はありません。しかし、2歳を超えて指しゃぶりを続けると心理的なものに移行していきます。
3歳を超えたあたりから、子供も物事の分別がつくようになるので、親に指しゃぶりをやめようね、といわれてわかる年齢になります。ここで素直に止めることができればよいのですが、癖になっているためなかなか止められないのが実情です。
統計では1歳児で約3割の子供に指しゃぶりが見られるようですが、2歳から徐々に減ってきて3歳の時点で約2割になるようです。その後自然と消失していくことが多いですが、稀に5歳を超えてもしてしまう子供がいます。
指しゃぶりが続けば、やはり歯並びが悪くなります。親指が入る隙間が常にあることで、上の前歯が突出し、下の前歯は内側に倒れてきます。
子供の歯並び相談はこちら
唇を締める習慣がないので、口が半開きの状態になります。そのまま口で呼吸する機会が多くなると口呼吸となります。口呼吸により、口腔内が乾燥することで風邪などの感染症にかかりやすくなる側面もあるので、できれば鼻呼吸が望ましい呼吸形態と言えます。
指しゃぶりが続くと指にタコができて硬くなります。
①で述べたように、生理的に必要な時期はやめさせる必要がありません。また、心理的に必要と感じてしている指しゃぶりも止めようがありませんのでそのまま様子を見ていればよいです。となると、やめさせる時期としては癖になっている3歳過ぎたあたりからが適切だと考えています。それ以前の指しゃぶりは暖かく見守るしかないのです。
寂しい思いをしているから指しゃぶりをする、などとよく言われますが、決してそれだけの問題ではありません。大人が感じる寂しさと子供が感じる寂しさは別物であり、家庭での接し方を変えたところで指しゃぶりが収まるわけではありません。
また、しゃぶる指にわさびやすっぱいものを塗る、という荒療治もありますが、これも時期が大事になります。前述した通り心理的な要因で指しゃぶりをしている場合は何度やっても原因が取れていないので繰り返しになり、やがて別の指や足の指を吸うこともあります。
つまり、3歳を過ぎてからやめる準備をしていくのが適切な時期となります。
ではどうすればよいのでしょうか?正しい方法があるわけではありませんが、恥ずかしさの感情は結構効果的です。『幼稚園にいって指を吸ってるところをお友達にみられたら恥ずかしいかもしれないよ』といったらすぐやめれた、という声もよくききます。これは恥ずかしいという感情が芽生えなければ効果はありませんが、女の子は比較的早く芽生えるため有効かもしれません。
いずれにせよ、本人がやめる、という強い意思を持たなくてはやめさせることはできません。根気よく『そろそろやめようか』など声かけをしていくのが良いでしょう。
指しゃぶりはやめさせたくても、すぐにやめさせる方法はありません。やめさせたくても3歳まではやめさせる努力が水の泡になることが多いので優しく見守りましょう。3歳を超えてくると、徐々にやめる準備をしていきます。そろそろやめようね、など優しく声かけをし、時には羞恥心に訴えかけるのも効果的です。急にやめることはできないので、焦らずゆっくり対応しましょう。
余談ですが、私の娘は4歳でやめることができました。歯並びが少し気になったので自分で矯正治療を行いきれいになりました。その時は大変でしたが、いざ昔の指しゃぶりの写真を見ると可愛くてほっこりしますので、今ではよい思い出となっています。
当院の小児歯科について
今回はこどもの指しゃぶりについて説明します。小さい子供が指しゃぶりをしているのを見るのはなんだか可愛らしく、心が和みます。しかし、大きくなってもずっと指をくわえていると、なんだか不安になってきますよね。実は私自身の娘も指しゃぶりを3歳超えてもしていたので、その対応に苦労しましたことから気持ちはよくわかります。ですので、今回はそんな不安を持っているご両親にむけて解説していきたいと思います。
指しゃぶりには3種類あり、生後2ヶ月頃から行われる生理的なもの、2歳くらいに多い心理的なもの、3〜4歳を超えて癖になっているもの、に分けられます。赤ちゃんの時から行われる指しゃぶりには、食べ物を口から食べるという意識付けに必要な行動であり、何ら問題はありません。しかし、2歳を超えて指しゃぶりを続けると心理的なものに移行していきます。
3歳を超えたあたりから、子供も物事の分別がつくようになるので、親に指しゃぶりをやめようね、といわれてわかる年齢になります。ここで素直に止めることができればよいのですが、癖になっているためなかなか止められないのが実情です。
統計では1歳児で約3割の子供に指しゃぶりが見られるようですが、2歳から徐々に減ってきて3歳の時点で約2割になるようです。その後自然と消失していくことが多いですが、稀に5歳を超えてもしてしまう子供がいます。
指しゃぶりが続けば、やはり歯並びが悪くなります。親指が入る隙間が常にあることで、上の前歯が突出し、下の前歯は内側に倒れてきます。
子供の歯並び相談はこちら
唇を締める習慣がないので、口が半開きの状態になります。そのまま口で呼吸する機会が多くなると口呼吸となります。口呼吸により、口腔内が乾燥することで風邪などの感染症にかかりやすくなる側面もあるので、できれば鼻呼吸が望ましい呼吸形態と言えます。
指しゃぶりが続くと指にタコができて硬くなります。
①で述べたように、生理的に必要な時期はやめさせる必要がありません。また、心理的に必要と感じてしている指しゃぶりも止めようがありませんのでそのまま様子を見ていればよいです。となると、やめさせる時期としては癖になっている3歳過ぎたあたりからが適切だと考えています。それ以前の指しゃぶりは暖かく見守るしかないのです。
寂しい思いをしているから指しゃぶりをする、などとよく言われますが、決してそれだけの問題ではありません。大人が感じる寂しさと子供が感じる寂しさは別物であり、家庭での接し方を変えたところで指しゃぶりが収まるわけではありません。
また、しゃぶる指にわさびやすっぱいものを塗る、という荒療治もありますが、これも時期が大事になります。前述した通り心理的な要因で指しゃぶりをしている場合は何度やっても原因が取れていないので繰り返しになり、やがて別の指や足の指を吸うこともあります。
つまり、3歳を過ぎてからやめる準備をしていくのが適切な時期となります。
ではどうすればよいのでしょうか?正しい方法があるわけではありませんが、恥ずかしさの感情は結構効果的です。『幼稚園にいって指を吸ってるところをお友達にみられたら恥ずかしいかもしれないよ』といったらすぐやめれた、という声もよくききます。これは恥ずかしいという感情が芽生えなければ効果はありませんが、女の子は比較的早く芽生えるため有効かもしれません。
いずれにせよ、本人がやめる、という強い意思を持たなくてはやめさせることはできません。根気よく『そろそろやめようか』など声かけをしていくのが良いでしょう。
指しゃぶりはやめさせたくても、すぐにやめさせる方法はありません。やめさせたくても3歳まではやめさせる努力が水の泡になることが多いので優しく見守りましょう。3歳を超えてくると、徐々にやめる準備をしていきます。そろそろやめようね、など優しく声かけをし、時には羞恥心に訴えかけるのも効果的です。急にやめることはできないので、焦らずゆっくり対応しましょう。
余談ですが、私の娘は4歳でやめることができました。歯並びが少し気になったので自分で矯正治療を行いきれいになりました。その時は大変でしたが、いざ昔の指しゃぶりの写真を見ると可愛くてほっこりしますので、今ではよい思い出となっています。
当院の小児歯科について