新井歯科クリニックBLOG
2021年10月04日
抜く?抜かない?親知らずの抜歯の見極めポイントを解説します

親知らずを抜くと痛いイメージがあり、好んで抜く人はいないと思います。抜かなくてよければそれに越したことはありませんが、必ず抜かないといけないのでしょうか?
今回は親知らずについてどうすればよいか解説します。

①親知らずとは

名前の由来は、はえた頃には親がもういない、というところから来ていますが、それは大昔の話です。親知らずは、一般的に18歳ころから萌出し(生え)はじめますが、個人差があり萌出時期は前後します。現代人は顎が小さくて萌出スペースが少なく、中途半端にはえたり出てこなかったりします。

②なぜ親知らずのところが痛むのか

・場所

一番奥にあるので歯磨きが難しく、磨き残しが炎症を引き起こすことがあります。また、磨き残しが長時間あると虫歯の原因にもなります。

・萌出状態

中途半端に出ている場合、さらに磨きにくくなるので痛む原因になり、細菌の感染によって歯周病を引き起こすリスクもあります。

・治療難易度が高い

一番奥に位置しているため、口が開きにくいと治療も困難になり、再治療になりやすいです。

このように横に生えている場合は役に立たず、
炎症によって腫れや痛みが出る場合があるため、
抜歯が望ましいです。

③抜くと痛いのか

親知らずの抜歯後の痛みは上下で違います。上顎は骨が柔らかく、抜歯が比較的簡単にできるため抜歯後の痛みは比較的軽度です。一方下顎は骨が硬く、歯の形態が少しでも悪いと引っかかって抜くのに時間がかかります。そして治癒も遅くなり痛む期間が長くなることがあります。ただし、上顎でも痛む方はいらっしゃいますし、下顎でも痛まないこともあるため一概には言えません。一般的には上顎の方が痛くない傾向にあります。

④必ず抜かないといけないのか

以前は親知らずは抜いた方がいい、という風潮がありました。しかし、最近では無理に抜かなくても良い、という傾向にあります。個人的には、抜歯と放置と、どちらにメリットがあるかで考えれば良いと思っています。目安として、まっすぐはえていて、上下で噛んでいる場合は置いておくことが望ましいでしょう。ただし、自分で歯磨きがしっかりできる(管理ができる)ことが条件となります。

⑤置いておくことのメリット

親知らずが噛んでいる=機能している、なら置くことに意味がありますが、もう一つ親知らずには重要な役目があります。それは移植に使えるということです。全く役に立っていない親知らずでも、近くに歯が近々抜歯の可能性がある場合は置いておくことで役に立つかもしれません。詳しくは移植の項目をご覧ください。

歯牙移植治療について

関連記事
歯牙移植(自分の歯の移植)について、そのメリット・デメリットについて解説します

上の親知らずは役に立っていませんが、
下の奥歯が割れて抜歯になったので
移植できました。

⑥まとめ

親知らずは、噛んでいてまっすぐはえていれば残しておくとよいでしょう。ただししっかり自分自身で歯磨きができることが条件です。また、移植要員として自分の口腔内で保存しておき、いざという時に役に立つことがあることも覚えておくと良いでしょう。

親知らずを抜くと痛いイメージがあり、好んで抜く人はいないと思います。抜かなくてよければそれに越したことはありませんが、必ず抜かないといけないのでしょうか?
今回は親知らずについてどうすればよいか解説します。

①親知らずとは

名前の由来は、はえた頃には親がもういない、というところから来ていますが、それは大昔の話です。親知らずは、一般的に18歳ころから萌出し(生え)はじめますが、個人差があり萌出時期は前後します。現代人は顎が小さくて萌出スペースが少なく、中途半端にはえたり出てこなかったりします。

②なぜ親知らずのところが痛むのか

・場所

一番奥にあるので歯磨きが難しく、磨き残しが炎症を引き起こすことがあります。また、磨き残しが長時間あると虫歯の原因にもなります。

・萌出状態

中途半端に出ている場合、さらに磨きにくくなるので痛む原因になり、細菌の感染によって歯周病を引き起こすリスクもあります。

・治療難易度が高い

一番奥に位置しているため、口が開きにくいと治療も困難になり、再治療になりやすいです。

このように横に生えている場合は役に立たず、
炎症によって腫れや痛みが出る場合があるため、
抜歯が望ましいです。

③抜くと痛いのか

親知らずの抜歯後の痛みは上下で違います。上顎は骨が柔らかく、抜歯が比較的簡単にできるため抜歯後の痛みは比較的軽度です。一方下顎は骨が硬く、歯の形態が少しでも悪いと引っかかって抜くのに時間がかかります。そして治癒も遅くなり痛む期間が長くなることがあります。ただし、上顎でも痛む方はいらっしゃいますし、下顎でも痛まないこともあるため一概には言えません。一般的には上顎の方が痛くない傾向にあります。

④必ず抜かないといけないのか

以前は親知らずは抜いた方がいい、という風潮がありました。しかし、最近では無理に抜かなくても良い、という傾向にあります。個人的には、抜歯と放置と、どちらにメリットがあるかで考えれば良いと思っています。目安として、まっすぐはえていて、上下で噛んでいる場合は置いておくことが望ましいでしょう。ただし、自分で歯磨きがしっかりできる(管理ができる)ことが条件となります。

⑤置いておくことのメリット

親知らずが噛んでいる=機能している、なら置くことに意味がありますが、もう一つ親知らずには重要な役目があります。それは移植に使えるということです。全く役に立っていない親知らずでも、近くに歯が近々抜歯の可能性がある場合は置いておくことで役に立つかもしれません。詳しくは移植の項目をご覧ください。

歯牙移植治療について

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上の親知らずは役に立っていませんが、
下の奥歯が割れて抜歯になったので
移植できました。

⑥まとめ

親知らずは、噛んでいてまっすぐはえていれば残しておくとよいでしょう。ただししっかり自分自身で歯磨きができることが条件です。また、移植要員として自分の口腔内で保存しておき、いざという時に役に立つことがあることも覚えておくと良いでしょう。

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