新井歯科クリニックBLOG
2021年05月17日
マイクロスコープ(顕微鏡)を使用した虫歯治療をご紹介

今回はマイクロスコープにしかできない治療をご紹介します。当院では全ての治療に拡大鏡(歯科用ルーペ)を用いた治療を行なっていますが、ルーペより強拡大であるマイクロスコープでしか成功率があげられない虫歯治療法もあります。どこでマイクロスコープを使用するかというと、神経の生死の判定に使用します。大きな虫歯で神経の部屋に達するような虫歯を治療する場合、神経の生死がわかれば治療の成功率がとても向上します。
それでは順番解説していきます。

①歯の神経とはどこにあるのか

歯の構造として、外側から
エナメル質、象牙質、歯髄
があります。一番内面の歯髄が、みなさんが神経と呼んでいるところです。他にも血管が走っており、血液が豊富にあります。

②なぜ神経を残したほうがよいのか

もし神経をとってしまうと、神経の治療になります。これは根管治療と呼ばれています。この治療は、最前を尽くしても再治療になる可能性があるので、将来的な治療が増える可能性があります。ですから、できるだけ歯の神経は残して治療する機会を減らしてあげる必要があります。
また、神経があることで温度や痛みを感じることができるので、神経がなければ虫歯になっても気がつかないかもしれません。
以上の理由から、歯の神経は残した方がよいことになります。

③神経をとらなくてはならない条件は?

虫歯などで神経が刺激されることにより、神経に痛みが生じます。
そして原因の虫歯を取り切った時点で、神経が剥き出しになってしまうか、または薄い歯質が残った状態になります。
神経の痛みは、元に戻る場合(可逆性)と、元に戻らない場合(不可逆性)があります。
不可逆性の場合、放置することで神経は壊死したあと、歯根の先まで感染が及んでしまい大変なことになります。よって、可逆性の場合は神経が保存でき、不可逆性の場合は神経を除去する必要があります。この見極めが非常に大事ですが、レントゲンや症状だけではその見極めは困難です。
そこでマイクロスコープの出番となります。
薄い歯質が残っていても、マイクロスコープでみればそれを除去すべきかどうか判断できます。
神経が剥き出しの場合でも、神経組織を直接マイクロスコープで確認することで、弱っている神経かどうかある程度判断できるのです。
もちろん100%ではありませんが、この確認をすることでその後の治療成績が大幅にアップすることは間違いありません。


虫歯を取り切って神経が露出した状態
出血があるので神経が生きている      

さらに倍率をあげた状態
全体からの出血があり保存可能と判断
別の歯牙
出血はあるが一部分からしかでておらず、神経自体
に生活力がない
この状態では神経全部を保存することは不可能

④神経を残せる場合にできる処置

神経が保存できるとしても、その後の処置がうまくいかないとその神経もやがてしんでしまう可能性があります。剥き出しになった神経を塞ぐには、封鎖性のよい材料が必要で、現在ではMTAセメントというものがあります。これは封鎖性がかなり良いので、剥き出しの神経を塞ぐのに適した材料と言えます。


MTAセメントで封鎖しているところ     

まとめ

虫歯が大きくて神経が保存できるか微妙な時はマイクロスコープでその判断がかなり正確にできます。そして、MTAセメントを使用すればさらに保存の確率が増えます。歯の神経はできれば保存したいので、できるだけ正確な治療を心がけたいと思っています。

一般歯科(虫歯治療)について

 

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①歯の神経とはどこにあるのか

歯の構造として、外側から
エナメル質、象牙質、歯髄
があります。一番内面の歯髄が、みなさんが神経と呼んでいるところです。他にも血管が走っており、血液が豊富にあります。

②なぜ神経を残したほうがよいのか

もし神経をとってしまうと、神経の治療になります。これは根管治療と呼ばれています。この治療は、最前を尽くしても再治療になる可能性があるので、将来的な治療が増える可能性があります。ですから、できるだけ歯の神経は残して治療する機会を減らしてあげる必要があります。
また、神経があることで温度や痛みを感じることができるので、神経がなければ虫歯になっても気がつかないかもしれません。
以上の理由から、歯の神経は残した方がよいことになります。

③神経をとらなくてはならない条件は?

虫歯などで神経が刺激されることにより、神経に痛みが生じます。
そして原因の虫歯を取り切った時点で、神経が剥き出しになってしまうか、または薄い歯質が残った状態になります。
神経の痛みは、元に戻る場合(可逆性)と、元に戻らない場合(不可逆性)があります。
不可逆性の場合、放置することで神経は壊死したあと、歯根の先まで感染が及んでしまい大変なことになります。よって、可逆性の場合は神経が保存でき、不可逆性の場合は神経を除去する必要があります。この見極めが非常に大事ですが、レントゲンや症状だけではその見極めは困難です。
そこでマイクロスコープの出番となります。
薄い歯質が残っていても、マイクロスコープでみればそれを除去すべきかどうか判断できます。
神経が剥き出しの場合でも、神経組織を直接マイクロスコープで確認することで、弱っている神経かどうかある程度判断できるのです。
もちろん100%ではありませんが、この確認をすることでその後の治療成績が大幅にアップすることは間違いありません。


虫歯を取り切って神経が露出した状態
出血があるので神経が生きている      

さらに倍率をあげた状態
全体からの出血があり保存可能と判断
別の歯牙
出血はあるが一部分からしかでておらず、神経自体
に生活力がない
この状態では神経全部を保存することは不可能

④神経を残せる場合にできる処置

神経が保存できるとしても、その後の処置がうまくいかないとその神経もやがてしんでしまう可能性があります。剥き出しになった神経を塞ぐには、封鎖性のよい材料が必要で、現在ではMTAセメントというものがあります。これは封鎖性がかなり良いので、剥き出しの神経を塞ぐのに適した材料と言えます。


MTAセメントで封鎖しているところ     

まとめ

虫歯が大きくて神経が保存できるか微妙な時はマイクロスコープでその判断がかなり正確にできます。そして、MTAセメントを使用すればさらに保存の確率が増えます。歯の神経はできれば保存したいので、できるだけ正確な治療を心がけたいと思っています。

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