平成17年3月 広島大学 歯学部 卒
平成17年4月 小室歯科 天王寺ステーションビル診療所勤務(医長)
平成23年6月 小室歯科 天王寺ステーションビル診療所退職
平成23年8月 新井歯科クリニック開院
iCEED
日本咬合育成研究会
ENー縁ーの会
日本口腔インプラント学会
自分の歯を移植することは実は難しくありません。ですが世の中にあまり普及しておらず、移植をよく手がける歯科医としては残念でなりません。今回は自分の歯を移植する事が可能か、詳しく解説していきます。
歯牙の移植ができるという話をすると、大体驚かれます。移植の成功率は医院によって違いはあるでしょうが、世界中の論文から集めたデータをまとめた情報(システマッチクレビューといいます)によりますと、5年生存率は90%になります。これはインプラントと比較しても遜色ない数字ということから考えて、歯牙の移植は医療として確立された方法だと考えています。
今のところ当院での失敗はなく、長い症例では10年近く経過していますが問題ありません。(途中で来院が途絶えている場合のその後はわかりませんが)
どうしても抜歯しなくてはいけない歯があるとします。そんな時に考えられる治療法は
の3つが主流ですが、ここで4つ目の提案として歯牙移植があります。
移植するには、必要がない歯があり、それを必要なところに移植することになります。つまり、必要がないとされている親知らずを使うことが多くなりますので、親知らずがすでに抜歯されている場合は適応しにくいかもしれません。
赤い矢印の歯を抜歯して、青い矢印の親知らずを赤い矢印のところに移植しています。
①でも述べましたが、5年たっても9割は残っていますし、当院でも約10年もっていることを考えるとすぐにだめになるわけではありません。
移植した歯がしっかりしている場合はかなり長く持ちますが、場合によっては少しずつ歯根が吸収していくことがあります。しかし吸収速度は非常に緩やかで、年齢を重ねるごとに遅くなっていきますからすぐに抜歯になることはありません。
また、埋入深度の関係から少し揺れて生着することもあります。この場合も揺れていますがしっかりかめていることが多く、ある程度は使えることになります。
いずれにせよ、移植した歯は一生もたせるためではなく、2番で挙げた抜歯後の3つの治療法の選択を遅らせるものとして認識して欲しいと思います。インプラントであっても一生持つかどうかはわかりませんし、10年生存率も当然100%ではありません。ですので、すぐにインプラントをするのではなく歯牙の移植をして、それがダメになった時にインプラントを考えるという先延ばしの考え方が良いと思っています。
移植した歯も普通の歯と同じようにかめることがほとんどです。
ただし、移植予定の親知らずの歯根の数や湾曲の為に深く埋入できないこともあります。
その場合は少し揺れて生着することがありますが、問題なくかめるようになります。
つまり、自分の歯と同じように噛めるので安心して移植をしてもらえます。
痛み止めを飲めば気になる痛みにはなりません。痛み止めを服用する期間は平均して3日くらいになります。また、腫れることもありますが、2〜3日でほぼ元どおりになります。
つまり、歯を抜くのと同レベルの侵襲だと考えています。処置の内容や経過についてはまたどこかで掲載しようと思います。
歯牙移植は怖い治療でも特別な治療でもありません。また、自分の歯のようにしっかり噛むこともできますし、ある程度長く使用することも可能です。
インプラントのような人工物もよいですが、やはり自分の歯で噛めることはとても重要です。移植を行うことでインプラントの使用を遅らせることもできます。
当院では歯の移植にかなり力をいれていますので、心配事などあればご相談ください。
自分の歯を移植することは実は難しくありません。ですが世の中にあまり普及しておらず、移植をよく手がける歯科医としては残念でなりません。今回は自分の歯を移植する事が可能か、詳しく解説していきます。
歯牙の移植ができるという話をすると、大体驚かれます。移植の成功率は医院によって違いはあるでしょうが、世界中の論文から集めたデータをまとめた情報(システマッチクレビューといいます)によりますと、5年生存率は90%になります。これはインプラントと比較しても遜色ない数字ということから考えて、歯牙の移植は医療として確立された方法だと考えています。
今のところ当院での失敗はなく、長い症例では10年近く経過していますが問題ありません。(途中で来院が途絶えている場合のその後はわかりませんが)
どうしても抜歯しなくてはいけない歯があるとします。そんな時に考えられる治療法は
の3つが主流ですが、ここで4つ目の提案として歯牙移植があります。
移植するには、必要がない歯があり、それを必要なところに移植することになります。つまり、必要がないとされている親知らずを使うことが多くなりますので、親知らずがすでに抜歯されている場合は適応しにくいかもしれません。
赤い矢印の歯を抜歯して、青い矢印の親知らずを赤い矢印のところに移植しています。
①でも述べましたが、5年たっても9割は残っていますし、当院でも約10年もっていることを考えるとすぐにだめになるわけではありません。
移植した歯がしっかりしている場合はかなり長く持ちますが、場合によっては少しずつ歯根が吸収していくことがあります。しかし吸収速度は非常に緩やかで、年齢を重ねるごとに遅くなっていきますからすぐに抜歯になることはありません。
また、埋入深度の関係から少し揺れて生着することもあります。この場合も揺れていますがしっかりかめていることが多く、ある程度は使えることになります。
いずれにせよ、移植した歯は一生もたせるためではなく、2番で挙げた抜歯後の3つの治療法の選択を遅らせるものとして認識して欲しいと思います。インプラントであっても一生持つかどうかはわかりませんし、10年生存率も当然100%ではありません。ですので、すぐにインプラントをするのではなく歯牙の移植をして、それがダメになった時にインプラントを考えるという先延ばしの考え方が良いと思っています。
移植した歯も普通の歯と同じようにかめることがほとんどです。
ただし、移植予定の親知らずの歯根の数や湾曲の為に深く埋入できないこともあります。
その場合は少し揺れて生着することがありますが、問題なくかめるようになります。
つまり、自分の歯と同じように噛めるので安心して移植をしてもらえます。
痛み止めを飲めば気になる痛みにはなりません。痛み止めを服用する期間は平均して3日くらいになります。また、腫れることもありますが、2〜3日でほぼ元どおりになります。
つまり、歯を抜くのと同レベルの侵襲だと考えています。処置の内容や経過についてはまたどこかで掲載しようと思います。
歯牙移植は怖い治療でも特別な治療でもありません。また、自分の歯のようにしっかり噛むこともできますし、ある程度長く使用することも可能です。
インプラントのような人工物もよいですが、やはり自分の歯で噛めることはとても重要です。移植を行うことでインプラントの使用を遅らせることもできます。
当院では歯の移植にかなり力をいれていますので、心配事などあればご相談ください。